君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている



でもまあ勉強の話題から逃げる為には仕方ない。引きずられるまま近くのコンビニに連れ込まれ、アイスコーナーの前に立たされた。

深月は迷わずソーダ味のアイスを選ぶ。見てたらあたしも食べたくなって、食べやすいバニラモナカを取った。


「俺も買おうかな」


優ちゃんも一緒にケースをのぞきこみ、少し迷ってコーンタイプのチョコアイスを取り出す。

結局あたしたちの分を優ちゃんが奢ってくれて、こっそり深月に文句を言われた。


「主将に奢らせるなんてありえねーぞ。ノーカウントだからな。あとでちゃんと奢れ」

「いいじゃんか。タダで食べれるのは一緒でしょ」

「セコいぞ」

「どっちが!?」


というケンカをレジの前でまたはじめてしまい、優ちゃんに怒られ竹刀ではじかれるように店を追い出される。

コンビニの駐車場でビニール袋を掲げられ「いらないのか」という目で見られたから、ふたりそろって頭を下げてなんとかアイスをもらうことが出来た。


本当に、優ちゃんは怒ると恐い。先生より親より恐い。


「お前たちは、仲が良いんだか悪いんだかわからないな」


おとなしくアイスを食べるあたしたちを見て、優ちゃんはそう笑った。