「繋ぎたい!」
私は遼の手を強く握った。

でも、遼はまだ顔を赤くしてそっぽを向いたまま、先走って歩き出した。

「菱川駅もうすぐつくからはぐれないようにしろよ」
遼の手の温もりを感じた。

朝のラッシュのせいで電車は窮屈だった。