極悪プリンスの恋愛事情



聞こえてきたのは今いる下駄箱の反対側。

急いで確認しに行くとそこには……………。


「凛くん!?」


下駄箱に寄り掛かりながら凛くんが立っていた。

嘘………もしかして見られてた………?


「あんなやつら、勝手にやらせときゃいいのに」


あぁ、やっぱり。

まさか見られてるとは夢にも思わず、好き放題言ってしまった自分に後悔する。


「覗きなんてずるい……」

「昼間のお返し。おかげで面白かったけど」

「うっ……」


ベッと舌を出す凛くんについドキッとしてしまった。

こんな状況でも会えて嬉しいと思っちゃうから、私って単純………。


「礼は言わねーからな」

「べ、別にそんなつもりないよ!私が見過ごせなかっただけだから……」


むしろ本人に見られていた方が誤算だ。