極悪プリンスの恋愛事情



「別に、その………顔しか取り柄がない最低男に、思い知らせてやりたいだけ」

「最低男?」

「ちょっと顔がいいからって私らのこと振り回してばっかじゃん。今日だって私のこと………………」


黙り込むその姿はいつかの私を思い出させる。


やるせない気持ちはわかるよ。

凛くんが最低なのは知ってるし、逆恨みされても仕方ない態度ばっかとってる。


でも、だからって。

本当に手を出していいわけがないと思う。


それに私は───────。



「たしかに凛くんのいいとこなんて顔だけかもしれないけど………あの性格最悪な感じ、私は結構好きなんだから悪く言わないでよね!!」


ビシッと指を向けて、自信満々に言ってやった。


嘘は1つもついてない。

だって、本当にそう思ってるから。