「とにかくやるったらやるの!相崎くんの靴隠して困らせてやるんだから!」
興奮気味に叫んだ女の子が躊躇なく凛くんの靴箱を開けた。
え、まさか本気?
どうやら私は、振られた腹いせに靴を隠そうと企む現場を目撃してしまったらしい。
どっ、ど、ど、どうしよう………。
誰か呼ぶ…………っても誰もいないし、現行犯じゃないと証拠なんて残んないし、このまま見過ごしたら凛くんの靴無くなっちゃうし………。
あー、もう!!
安易に首を突っ込んだら、また嫌な思いをするかもしれない。
それでも知らないふりはできなかった。
「─────ちょっとそこ!!」
凛くんの靴を掴んだ彼女らに向かって叫んだ。
私に気づいた女の子たちが一斉に振り向いて、バチッと視線が重なる。
これでもう後戻りはできない。
「それ、凛くんの靴だよね?なんで持ってるの」
じっと相手を見つめて答えを求めるように睨む。
すると彼女たちは挙動不審に目を泳がせた。



