凛くんに会えない寂しさを引きずったまま教室を出た。
今日は文化祭の準備もないから家に帰っても暇だなぁ。
私も皐月みたいに何か部活に入ればよかったかも。
そんなことを考えながら階段を降りると、昇降口に数人の女の子が集まっているのが見えた。
「─────ねぇ、本当にやるの?」
「やるに決まってるじゃん!私を振る相崎くんが悪いんだし!」
意外にもはっきり聞こえた女の子たちの会話。
相崎くんって……凛くんのことだよね?
図書室で見かけた女の子もいるし、間違いないと思う。
「でもさ、うちらがやったのバレたらファンの子に睨まれるんじゃない?」
「へーき、へーき。なんせ相手はあの極悪プリンスだもん。逆恨みも日常茶飯でしょ」
「そうかもしれないけどさぁ」
なんか、変な会話。
ファンの子に睨まれるって………。
絶賛片想い中の私が今ここにいるんですけど。
なんだかよくないことが起きるんじゃないかと心の奥がざわついた。



