極悪プリンスの恋愛事情



「なら、別の男子に頼むの?」

「それも無理!凛くん以外考えられないもん」

「えー、後夜祭ぼっちになってもいいわけ?私は同じ部活の人に頼んだし、相手探すの手伝うよ」

「結構です!!」


そう言って、力任せに教科書を鞄に突っ込んだ。

皐月は心配してるだけなんだろうけど、凛くん以外の人とペアになるくらいなら1人でいた方がいい。


1年のときは適当にクラスの男子と踊ったけど今は別だもん。



「まぁ、静香がいいならいいけど。後夜祭までに相崎捕まえられるといいね」

「う、うん……」

「じゃあ部活行ってくるわ。またね〜」


教室を出て行く皐月に手を振ってから、ちらりと凛くんの席を見た。


いつの間にか鞄なくなってるし、帰っちゃったのかな………。