「相崎くんだぁー!」
「もー、遅いよー」
凛くんが教室の前に来れば、すぐさま女の子たちに囲まれている。
さっきまで岸本くんにベッタリだったくせに、女心の移り変わりは早いもんだ。
…なんて。
私だって、凛くんが来たら彼しか見えなくなっちゃうのにね。
「うるせー…」
寝起きのせいか、いつもより鋭い目つきを光らせる凛くん。
めちゃくちゃ機嫌が悪いんだと瞬時に伝わってきた。
「ちょうど執事服届いたから相崎くんも試着しよーよ!」
「は?そんな気色悪いもん着るわけねーだろ」
「えー、なんでー?」
「みんな相崎くんの執事服楽しみにしてるのに!」
「ちっ、うぜぇ……」



