極悪プリンスの恋愛事情



「な、なんでそんなこと言われなきゃいけないの?」


負けじと女の子たちを睨み返す。

こういうの初めてだから正直怖いけど、理不尽すぎて震えてなんかいられない。


「あと者のくせにでしゃばってうざいからに決まってるじゃない!」

「あんたみたいなブスが“凛くん”なんて気安く呼ぶんじゃねーよ!」


これ、何言ってもだめなやつだ。


こういう派手な集団って、自分の意見が絶対だと思い込んでる人が多いから苦手だな……。


「別に……私の勝手でしょ……」


迫りくる恐怖に言葉が詰まる。

ふいっと顔を逸らしたのは、まさに火に油を注ぐ行為だった。



「っ……このっ………生意気!!!」


───ドンッ!