極悪プリンスの恋愛事情



「えっ、」


急いでいた私の足を止めたのは、凛くんの周りでよく見かける派手めな女の子の集団。


中庭まであともう少しだというのに、無視するわけにもいかず「なに?」と返事をした。


「あなたさぁ、最近相崎くんの周りうろちょろしてるみたいだけど、はっきり言って迷惑なの」

「はい?」


いったい何かと思えば、彼女らの要件は凛くんのことらしい。


もしかして、調理実習のときに凛くんが私を助けてくれたから?


この学校に凛くん狙いの子は星の数ほどいる。


その中で私を天敵に選ぶということは、つまりそういうことなわけで。

調理実習でのことしか思いつかない。