極悪プリンスの恋愛事情



「……気色悪いこと言ってんじゃねーよ」

「わぁっ!?」


甘い空気も台無しで、グッと体を離された。

そして不機嫌という名のポーカーフェイスをぶら下げて、自分の班へと戻って行く。


すぐに女の子たちから「相崎くん超かっこよかった!と言葉責めを受けていたけど、凛くんは慣れたように舌打ちをしている。


なんか………本当に一瞬の出来事だったな………。



「やるじゃん静香。転んで相崎と急接近だなんてさ」

「さ、皐月………!?」


呆然と突っ立っていた私の背後から、ぬるっと皐月が現れた。

ニヤニヤと意味深な笑みを浮かべて「このこのっ!」と肘をついてくる。


「言っとくけど、わざとじゃないからね?」

「はいはい。静香があんな計算高いことできる女じゃないってことは、十分知ってますよー」

「なんかバカにされてる気がする!」