極悪プリンスの恋愛事情



「あと、凛は料理が上手いんだよ〜!昨日食ったコロッケも最高で…………」

「凛くん!!」


岸本くんの話を堂々と遮って、相崎くんの………………凛くんの名前を呼んだ。


「は?」


驚いた凛くんと目が視線が重なる。

ドキドキと早鐘を鳴らす鼓動がうるさかったけど、この感情を今すぐ伝えたいと思った。


「やっぱり私、凛くんが好き。振られちゃったけど…………それでも好きなの!」


興奮気味の体がじわりじわりと熱を上げて、瞬く間に全身へと巡っていく。


たぶん顔も赤いんだろうなって思ったけれど、隠すこともしなかった。

凛くんに気持ちを届けようと必死だったから。


きっかけはよくある一目惚れでも、そのおかげで知ることができたんだもん。


劇的な始まりじゃなくたって、私の恋はちゃんと走り出したんだ。