「いくら花野井が嫌いだからって、そんな嫌がらせみたいなことしねーよ」
「わっ!?」
私が無防備なのをいいことに「バーカ」と、デコピンをくらわせてきた。
「つーか、さっさと着ろ。いつまで腕隠してんだ」
「あ、うん……!」
相崎くんの威圧に押され、急いで袖に手を通す。
ひと回り大きいカーディガンに包まれて、無性にドキドキと胸が高鳴る。
これ、つい最近まで相崎くんが着てたんだよね…………?
相崎くんに抱きしめられてるみたい。とか思ったらきもいかな。
「サイズ合わないからって、新しいの買えとか言うなよ?欲しかったら瑛斗に頼め」
「い、言わないよ!」
むしろ、相崎くんのカーディガンが着れてラッキーって思ってるし。
恋人でもなんでもないけど、少しだけの特別に浮かれちゃう。
好きな人の私物が貰えるのって、片想い女子全員の憧れだと思うんだよね。
「ふふっ」と、気持ち悪いくらいの笑みが零れた。



