「お前のカーディガン汚しちまったから、代わりに俺のやるよ」
俺の……?
ってことは、このカーディガンは相崎くんがいつも着てたやつ?
「へ!?どういうこと!?」
相崎くんのカーディガンを着ている事実に驚いて、思わず大きな声を出してしまった。
答えを求めて相崎くんを見つめると、先に口を開いたのは隣にいた岸本くん。
「実は昨日、凛の家に飯食いに行ったんだけど、俺が花野井ちゃんのカーディガンの上にソースこぼしちゃってさ〜」
ケラケラ笑いながら「この染みだよ」と、相崎くんが着ているカーディガンを引っ張った。
そのカーディガン本当に私のだったんだ………。
自分の妄想が気持ち悪すぎてショックを受けていたのに、幻でなかったことに少しだけほっとした。
というか、そんな理由で着ていたのかと思うとびっくりする。
「余計なこと言ってんじゃねーよ」
「でも事実だろ?」
「瑛斗のせいなんだから少しは黙れ」
「そんな照れんなって」
なんか、疎外感。
「捨ててもよかったのに………」
自然と言葉を零したら、それに気づいた相崎くんがこちらを向いた。



