びしょ濡れで校内を歩いても私を気に留め人は誰1人いない。
庇ったら自分もいじめられるから……というわけではなく、“相崎凛に近づくのが悪い”と全生徒に思われているから。
見て見ぬ振りが当たり前になっている空気は息が詰まる。
早く更衣室で着替えなきゃ……。
足早に廊下を歩いていたら後ろから声がした。
「静香ー!!!」
廊下を全速力で駆けていた皐月が私の前で足を止める。
乱れた呼吸を整えながら「ちょっ、なんで濡れてんの!?」と、肩を掴んで悔い気味に聞いてきた。
「ええっと……ファンの子たちに絡まれちゃって………」
「またぁ!?あいつらほんっっっとに懲りないね」
ブツブツ文句を言いながらハンカチで濡れた顔を拭いてくれる皐月。
その優しさが嬉しくて、なんだか泣いてしまいそうだった。



