「なんか言えよブス!」
黙ったままで腹が立ったのか、持っていた缶ジュースを投げつけてきた。
飲み口の開いた缶ジュースは宙を舞い、私に中身が降りかかる。
バシャっと音がした後、床に転がった缶ジュースが凛くんの足元で止まったのが見えた。
はは……また濡れちゃった。
この子たちは私に何回ジュースをかければ気が済むのだろう。
近くを通りかかっただけでこれほど酷い絡まれ方をするとは思わなかった。
彼女でもなんでもないのに……。
私が二度と凛くんには関わりません!って宣言すれば嫌がらせはなくなるのかな。
こんなのが毎日続いたらさすがに心が壊れちゃうかもしれない。
林田さんが浮気したくなる気持ちもちょっとだけわかるかも。
ぽた、ぽた…と制服から落ちる雫を見ていたら余計にそう思えた。
「あれ、もしかして泣いちゃった?」
「相崎くんに関わるのさっさとやめればいいのにね〜」
ぐっと唇を噛み締める。
嘲笑うファンの子たちから逃げるように購買を後にした。



