極悪プリンスの恋愛事情



「とりあえず今日のこと凛にも知らせておくか…………」


「だ、だめ!!!」


スマホを取り出した岸本くんの手をとっさに掴んだ。

離してと言われたけど首を振って否定する。


「お願い。凛くんには言わないで」

「……なんで?」

「だって、凛くんのせいにしたくない……」


凛くんの優しさは、自分を犠牲にした上で成り立っているものだと知ってしまった。

今日のことが耳に入ればきっと自分を責めるに決まってる。


────そうしたら、全部終わってしまう。



「わかった、凛に連絡するのはやめるよ。まぁ、俺が言わなくてもすぐバレるだろうけどね」


困ったように笑いながら、岸本くんはポケットにスマホをしまった。