「卑怯な手なんか使ってないし、抜け駆けしてるつもりもない」
見下ろす彼女らを強気で睨み返す。
私が適当な嘘をつかないのは、理不尽な状況が嫌だからじゃない。
これから先も凛くんを好きでいたいから、逃げるわけにはいかなかった。
だって、負けたらだめなんだよ。
ここで負けたら、責任を感じた凛くんが絶対に私から離れていく。
凛くんのせいじゃないよ、大丈夫だよって、1人で立ち上がって証明したい。
「私は本気で凛くんが好きなの。関わるなとか、無理だから」
「はぁ!?あんたの本気度なんかどうでもいいんだけど」
「岸本くんにも手出してるの知ってんだからね!」
「そんなこと─────」
“そんなことしてない”
言いかけたところで、視界に何かが飛んできたことに気がついた。
───バシャッ
「言い訳すんな」



