極悪プリンスの恋愛事情



「凛くんが私のこと好きって、本当………ですか…?」


2度目の問いかけ。

最初から起きていたなら全部聞いていたはず。


また口にしたのは、私がどれほど真剣かわかってほしかったから。

嘘でも強がりでもない凛くんの本心をちゃんと知りたかった。


それだけなのに─────。


「………………なんで」

「え、?」


「人の過去詮索しておいて、なんでそんなつまんねーこと言えんだよ!」


いつも冷静なはずの凛くんが明らかに動揺していた。

私を見据える冷たい瞳にはクリスマスの夜と同じ色を宿している。


「り、凛くんが逃げてばっかりだからだよ………」


自分から聞いた手前、後には引けなかった。

問い詰めるようなことをして困らせている自覚はあるけど、私にだって聞く権利はあるはず。


巻き込まれた過去に片足突っ込んだままじゃ終われないんだよ。