「俺ら3人は昔っからの腐れ縁なんだけど、凛と真央は特に仲良くてさ。中学上がったくらいにちょうど付き合い始めたんだ」
ようやく見え始めた細い糸を繋げてくれるように、岸本くんは話を続けてくれる。
別に疑ってたわけじゃないけど、真央さんと付き合っていたのはどうやら間違いないらしい。
凛くんでも彼女を作る気はあったんだなって、正直驚いた。
まぁ、高校生にもなれば元カノの1人や2人いるだろうし、凛くんみたいなモテ気質の人なら尚更当たり前のことだよね。
女嫌いじゃなかったら、ただの優しい王子様だもん。
出会う前の過去に嫉妬したってどうしようもないけど、少しだけ妬けてしまう。
「側から見ても2人はお似合いのカップルだったよ。毎日すげー幸せそうで、このままずっと一緒にいるんだろうなって思ってた。…………だけど、その幸せを真央が自分で壊したんだ」
「え………?」
最後まで黙っているつもりだったのに、思わず声が漏れてしまった。
だって、別れる原因を作ったのは凛くんだと思っていたから。
「凛はさ、知っての通り超モテるだろ?彼女がいてもお構いなしに女の子が寄って来てくるから、不安になった真央が浮気して他の男に乗り換えたんだよ」
うそ、林田さんが………?
教えてもらった答えは想像よりもずっと単純なものだった。
2人の関係が終わったのは林田さんの浮気だなんて。



