極悪プリンスの恋愛事情



「私、凛くんのことが好きだよ」


「知ってる」


呆れたような軽い返事に少しだけ心が折れそうになる。

それでも、今日だけはちゃんと聞こうって決めたから。

向き合って必死に言葉を紡いだ。


「凛くんはどうなの?」

「は?」

「まだ、私のことが嫌いなまま?少しも好きになってくれてないの?」


こんな聞き方したらうざいって言われちゃうかもしれない。


でも、だったら今日のデートはどうしてなの?

文化祭の夜もテストの1位も本当の気持ちは知らないまま。


全部教えて欲しい。思ってること全部打ち明けてよ。

大事なことは何ひとつ聞けてない。




「俺は、花野井のこと……………」