極悪プリンスの恋愛事情










「わぁ、ホワイトクリスマスだ!」


ショッピングモールを出た後の空はすっかり暗くなっていた。


イルミネーションにも光が灯り、辺りはクリスマスモード一色。

ちらちらと降り頻る雪がより一層ロマンチックな雰囲気を演出していた。


「マフラー買っておいて正解だったね」

「あぁ、そうだな」


買ったばかりのマフラーを身につけてお互いの顔を見合わせる。


どうしよう………幸せすぎてやばい。


こんなの普通に付き合ってるみたいだよ。


街ゆく人たちの瞳に私と凛くんがどう映ってるのか気になりすぎる。

カップルだって、勘違いしてくれてたらいいのに。


学校1のモテ王子に釣り合ってるとは思ってないけど、凛くんを想う気持ちなら誰にも負けない自信がある。

むしろ、私にはそれしかないから………。




「この後どうする?飯でも食う?」


不意に凛くんが聞いてきた。


考え事をしていたせいか、縮まった距離感に余計ドキッとする。