あれから何事もなく放課後を迎えたけれど、相崎くんは一度も教室に戻って来なかった。
いつ戻ってくるんだろとびくびくしていたのに、まさか午後の授業を丸々休むなんて。
無駄にびびって損しちゃった。
「へぶしっ!」
うーっ、それにしても寒い。
変なくしゃみまで出ちゃったし、カーディガンだけでも取り返してから逃げればよかったかな。
寒がりの私にとって、シャツ1枚で過ごす午後の授業は地獄そのものだった。
何度暖房をつけてくれと願ったことか。
あぁ、この格好で家まで帰らないといけないなんて………寿命が縮まりそう。
どんなに文句を言ったところで、私のカーディガンは二度と戻ってこないけどね。
よし、さっさと全部書いて帰ろう!
そう気合を入れ直した、その時。



