極悪プリンスの恋愛事情



うん?今度は何を言い出してるのかな?


「有効も何も凛くんと約束してないよ」

「じゃあ、今したってことで」

「えっ、?」


凛くんのペースに振り回されてる気がして、頭がおかしくなってきた。


冗談………なのはわかってるけど、どこからが冗談?

いや、全部なんだろうけどさ!?


「凛くんは私をからかうためにここまで連れてきたの?」


側に居られるならなんだって構わないと、普段の私ならそう思っていたかもしれない。

けれど、今日は簡単に割り切れなかった。

いつもの凛くんじゃないんだもん。


「………いや、違う。ごめん」


ほらね。謝る姿だってやっぱり変だ。


今度は本気に見えるし、棒読みじゃないのが逆に怪しい。