なにか理由でもあったのかな。
そう考えてからハッとした。
「凛くんが1位取ったのって、もしかして私のため……?」
「は?」
ピタリと凛くんが足を止めた。
さっきまで返事すらしてくれなかったのに、こういう時だけ反応するのはずるいと思う。
案の定振り返られて、数日ぶりに凛くんと顔を合わせた。
やっば……。
サーッと血の気が引いていく。
ど、どっ、ど、どうしよう…………調子乗んな!って怒られる…!?
久々に話せたのに、私は凛くんを不機嫌にさせることしかできないんだろうか。
むしろ嫌われる天才?
自分が情けなく思えて心の中で苦笑い。
怒鳴られる覚悟を決めて、ぎゅっと目を閉じた。



