「え………?」
“それ”を見て驚いたのは、私だけではなかったと思う。
隣にいた皐月も岸本くんも同じように声を上げていたから。
ありえない。
けれど、確かな現実がここにある。
見間違いなんじゃないかと何度か目を擦ってみても、映るものは何ひとつ変わらなかった。
1位、相崎凛。合計500点。
2位、岸本瑛斗。合計493点。
「うそ…………」
凛くんが1位……?
開いた口が塞がらない。
息だってちゃんとできているのか怪しい。
それほど考える力が抜けていた。
だから、周りの声にも私に近づく気配にも気づけなかったんだと思う。



