「かなり自信あるよ。花野井ちゃんとのデートはいただきかもね」
うっ、岸本くんまで楽しそうに……。
私をそっちのけで盛り上がっているから、なんだか他人事のように思えてくる。
当事者なんだけどなぁ。
困り果てて苦笑いを零した。
「─────ねぇ、今回のテスト全教科オール満点の人がいるんだって!」
「ほんとに!?早く見に行こう!」
後ろから声が聞こえたと思ったら、そのまま私達の横を通り過ぎた。
パタパタと走っていく姿を見て首を傾げる。
全教科満点?
すれ違いざまにそんなことを言っていたような………。
「あ、見て。めっちゃ人集まってる」
ピタリと足を止めた皐月が目の前の人混みを指さした。
数人……いや、数十人といったところだろうか。
人で溢れて何やら騒がしい。
あそこって、テスト順位が貼られてるとこだよね。



