極悪プリンスの恋愛事情



「じゃあ、花野井ちゃんは俺がもらってもいい?」


……え?

瞬間、思考を奪われた。



「俺、花野井ちゃんが好きだよ」



岸本くんと視線が重なって、一瞬にして全身に熱が駆け巡る。


頭の中で岸本くんの言葉をなぞって確認した。


好きだよって。



「瑛斗、お前本気?」


「本気だよ。好きでもない子に毎日付きっきりで勉強教えてあげられるほど、俺はお人好しじゃないからね」


ドクン───。

心臓が大きく音を鳴らす。

今度こそ勘違いなんかじゃない。


優しく笑う岸本くんがいつも以上にかっこよく見えて、簡単に見入ってしまう。


「えっと……私……」


口がうまく回らない。


だって、告白されるの初めてなんだもん。

しかも相手が岸本くんともなれば、戸惑うに決まってる。