極悪プリンスの恋愛事情



さらば私の片想い。

まさか初めて交わす言葉が一方的な「ごめんなさい」だなんて。


この世に神様が存在しているとするなら、私はきっと嫌われてるんだ。


いつか相崎くんと仲良くなって、彼の隣に立てることを夢見ていたのに。

それは本当に夢で終わってしまった。






「───はぁ、しんどい……」


こんなに全力で走ったのは久しぶりだった。

教室に着いた途端、ドッと湧いてくる疲労感に呼吸が荒くなる。


ふらふらとおぼつかない足取りで自分の席に戻れば。


「おふぁえりー」


と、パンを口いっぱいに頬張る皐月が迎えてくれた。


その見慣れた皐月の顔を見て、なんとなく安心する。