極悪プリンスの恋愛事情



自分で認めてしまうのもおこがましいけれど。


「………好き、なのかな」


ポツリと零れた言葉に胸の奥が苦しくなる。

どうして私なんかを……って、そんなことしか思えない。


特別可愛いわけでもないし、勉強が得意なわけでもないし、スポーツができるわけでもない。

どこにでもいるようなごく普通の女子高生。


なんの取り柄もない私を好きになる方がよっぽど難しい。

それなのにどうして?


岸本くんは私が凛くんを好きだってことも知ってるはずなのに。


…………あー、もうだめ。

悩んだところで明確な答えが出るわけじゃない。


岸本くんの気持ちは本人以外わかるはずないもんね。