極悪プリンスの恋愛事情



関係ない、か。

胸の奥がズンっと重くなるのを感じた。


わかってたけど、本当はすごく苦しい。


いつまで経っても凛くんは私のことを気に掛けてはくれないから。


私が凛くん以外の男子と一緒に居たって構わないんだ………。


近づいて、突き放されて。

飛び込んだら優しくしてくれた。

それなのに、少しも凛くんの心に触れることができない。


大嫌いで無関心。

結局、告白する前と何も変わっていないような気がした。




「───それじゃあ凛の了承も得たわけだし、放課後は図書室に集合ってことで。よろしく、花野井ちゃん」


岸本くんの言葉にドキリとする。


すぐに返事をすることができなくて、不自然な間があいてからの一言。


「よ、よろしくお願いします………!」


この数秒に隠された想いに誰も気づいてはくれないだろう。

凛くんだって、きっと。


……ううん。絶対に。