極悪プリンスの恋愛事情



「あのっ、もちろん凛くんが忙しいことはわかってるんだよ!?いつも赤点ギリギリなのは自分のせいだし、もっと頑張れよって常に思ってるけど!今回だけは絶対に赤点を取るわけにはいかなくて、ですね…………」


ペラペラと頭ごなしに言葉を並べて、言いたいことを全て吐き出した。


今の、さすがに必死すぎたかな。

嫌われちゃったらどうしよう。なんて考えが頭に浮かんだけれど、元から嫌われてたんだっけ。

虚しい結論にとても泣きたくなる。


「はぁ…………なるほどね。花野井の言い分はよくわかった」


「それじゃあ………!」


「無理」


「えぇっ!?」


ガーンと頭の上に衝撃が落ちる。

文化祭の一件でちょっとは仲良くなれた気がしてたから、余計にショックだった。


「俺がそんな面倒なことするわけないだろ」

「うっ………」


もちろん全部わかってたよ。

わかった上で、1%の望みに掛けたんだ。


それもこれも呆気なく砕け散ってしまったけれど。