極悪プリンスの恋愛事情



「で、何しに来たんだよ」

「実は凛くんにお願いがあって……………」


「無理」

「えぇっ!?まだ何も言ってないよ!?」


ちょっとくらい聞いてくれてもいいじゃん!

容赦なく会話を終わらせるなんて、さすがは極悪プリンス。なんて冷たいのだろう。


「花野井のお願いはろくなことがねーからな」

「そ、そんなぁ…………!私は真剣なのに」


まぁ、真剣という名の下心?もなくは無いけど。

嘘ついてるわけじゃないもん。


「じゃあ、聞くだけ聞いてやるよ。なに?」


相変わらずのしかめっ面でこちらを見る。

ドキリと跳ねた心臓を抑えつつ、小さく口を開いた。


「えっと、もうすぐ期末テストだから凛くんに勉強教えてもらえないかなぁー、なんて…………」


今にも消えそうなほどの細い声を出しながら、恐る恐る凛くんの様子を確認する。


「は?勉強?」


案の定、さっきよりもずっと苦い顔をしていた。