極悪プリンスの恋愛事情



私が来るといつも寝たふりばっかり。

少し距離を詰めてから、そっぽを向かれた凛くんの体を大袈裟に揺らした。


「返事してよ!起きてるの知ってるんだからね!」


目を開けてくれるまで絶対にやめてあげない!

無視する凛くんに対して闘志を燃やしながら数秒。


「…………うるせー」


ようやく凛くんの声が聞こえた。


「あ、やっと返事してくれた」

「ったく……人が気持ちよく寝てんのに邪魔すんな」


「ずっと寝てたら風邪ひいちゃうよ」

「ひかねーから寝てんの」


相変わらず不機嫌な顔。

大きなあくびをしながら体を起こすと、私を見て目を細めた。