極悪プリンスの恋愛事情



本当は頭の中がぐちゃぐちゃで、校庭の様子なんてはっきりと見えていない。

だけど、今できる精一杯の言い訳が他に思いつかなかった。


「うわっ、あんなことして何が楽しいのか理解できねー」


いつの間にか隣に立っていた凛くんは、本気で嫌そうな顔で校庭を見ている。

凛くん文化祭にすら参加しなかったもんね。後夜祭なんて以ての外!って感じ。


私がダンスパートナーになってほしいとお願いしたときも速攻断られたし、嫌いなんだろうなぁ。

今はこうして一緒にいるけど、本当は私だって…………。


「もー、そんなこと言わないでよ。こういうのは楽しんだもの勝ちなの!」


暗い気持ちを吹き飛ばすよう強引に笑顔を作った。

寂しいけどしょうがないよね。

凛くんがここにいるだけでも奇跡みたいなものだし、これ以上贅沢言えないよ。


「じゃあ、ほら」

「え?」


すると、凛くんが私に向かって手を差し出した。

な、なに!?


「楽しんだもん勝ちなんだろ。今日だけ特別」

「それって………」