極悪プリンスの恋愛事情



「あの、私──────」


意を決して口を開いた。

と、そのとき。


『それでは、後夜祭を始めます!』


校内に響く放送と共に、合図となる音楽が流れ始めた。


「ひぇっ!?」


驚いた私はビクッと体を跳ねさせて、出かかった言葉を飲み込んだ。

うわ、タイミング最悪!


凛くんに好きって言うのは慣れっこだけど、今のは初めて告白した時くらい緊張してたのに……。


「はっ、変な声。なに言いかけたんだよ」

「え、いや……その………」


せっかくの甘い雰囲気をぶち壊されて、今更言えるわけがない。


じわりと冷や汗を浮かばせながら逃げ道を探して。


「わ、わぁー、綺麗だなぁ!男女で踊るって超ロマンチックー!」


凛くんの呪縛を跳ね除けるように窓際へと走った。