極悪プリンスの恋愛事情



「ちょ、凛くん!どこまで行くの!?」

「…………」


声を掛けても返事はなかった。

手を振り払って聞けたらよかったのかもしれないけど、生憎そんな力は持ち合わせていない。

勢いを増していくスピードに付いていくのが精一杯で、息をするのも苦しいくらい。


決して目が合うことがない凛くんの後ろ姿に不安と焦りが込み上げてくる。


なんで凛くんがここにいるの?

私を連れてどこへ行くの?


なんで、どうして、って頭の中で繰り返しても私が答えを知っているわけがない。


このまま外まで連れ出されるんじゃないかと思い始めた矢先、凛くんの足が突然方向を変えた。


こ、今度は何!?


ふと視線をあげると、目に映ったのは図書室の文字。

ためらいもなく奥へとズカズカ進んで行って………。


───ドンッ


と、壁に向かって私を勢いよく突き飛ばした。