極悪プリンスの恋愛事情



なんだか腑に落ちない。

男の子でも甘党な人は普通にいるし、隠す必要はない気がする。


私が可愛いと思ったように、良い点しか見つからないから。


「なんで隠すの?」


気になって問いかけた。

いつの間にか熱の引いた顔でそれとなく視線を逸らされる。


「だってさ、凛の友達ならかっこいい方がいいだろ?」

「どういうこと?」


意味がわからなくて首を傾げた。


「幻滅されたくないんだよ。凛の友達のくせにかっこ悪いって思われたくないから」


そう言って小さく笑う岸本くんの姿は、とても寂しそうに見えて。

胸の奥がぎゅっと苦しくなった。