絶対やせてやる!

バンガローの前に着いた。

あっと言う間だった。

ちょっと残念・・・。


「二人なのにまた随分とでかいとこに泊まってるんだな。」

「だって、他はトイレ付いて無いから。」

「ちょっと歩けばすぐのとこにあるじゃん。」

「女の子が夜道一人で歩いたら危険でしょ?」

「女の子?どこ?」

「ここぉ。」

「真面目に言ってんの?危険なのは他の人じゃない?

こんな密室で二人きりの俺の方が危険かも。」

「はあ~?ありえませんって!」


そう言い返しながら・・・ちょっとドキッ!

どうして分かった?


士幌・・・あんた・・・いい匂いしすぎ・・・。


そう、さっきからず~っと思ってたんだ。

昨日も思ったけど・・・。

虫嫌いだけど・・・虫の気持ち?

ブ~ンって飛んでってピタッて止まりたい感じ?


やばい・・・ここはもう退散!


「送ってくれてありがとう。」


ササッと車から降りてバン!とドアを閉めた。


「何慌ててるの?」


助手席の窓が下りて士幌が呼びかけてきた。


そうだよね。絶対怪しいよね。

分かってるけど、そこにそのまま居られなかった。


「トイレ!じゃあね!おやすみなさい!」


そう言ってごまかして中に入ったのだった。




唖然とする士幌を残して・・・。