絶対やせてやる!


「随分と弟と親しいようだね。」

は?

何その言い方。

「朝二人でウォーキングしたときにちょっと世間話しただけ。なんか文句ある?」

「別に。」

やつはそう言って出て行きかけたが

「士幌、夕に言わないつもり?」

夕くんのお母さんがやつの背中に問いかけ

「今さら言う必要ない。」

こっちを振り返ることなく行ってしまった。



残された私と夕くんのお母さん・・・


「本当にごめんなさいね。何だか士幌もすっかり変っちゃたみたいで・・・。」

「いえ・・・。」


19年?ぶりの親子の再会に立ち会ってしまって、しかもそれがあんまり感動的じゃないようで・・・


何があったのかは知らないけど・・・

何か気まずいのは確かで・・・


「あっ、これ、さっき山菜ご飯作ったんですよ。
ほら、おにぎりにしたので食べてくださいね。」


夕くんのお母さんもちょっと気落ちしてるようだったけど私に気を使って元気に見せてて・・・ちょっと痛々しい。


「うわぁ~美味しそう~!」

「それと山菜の漬物。私が漬けたんですよ。」

夕くんのお母さんは、そう言って、いろんな種類の山菜の漬物が入ったタッパー渡し、

「じゃあ・・・私は管理棟に戻って仕事がありますから・・・。」

と行ってしまった。


本当は仕事なんてないんじゃないかな?

やっぱり・・・やつのさっきの態度のせい?

そんなことを考えながらバーベキューの準備をしてる方に移動した。