でも・・・体が・・・
包丁を持つ手がいつの間にかやつの方に向いていた。
「みのりさん、ここは押さえて!」
ハッと気づく。
危うく殺人を犯すとこだったよ・・・。。。
「あ…うん。」
何か腹立ったけど・・・少しガッカリもした。
上川士幌・・・私を嫌ってる?
綺麗な人が好きそうだもんね。
そりゃあそうだよね?
これだけイケメンで女なんか選り取り見取りだろうし・・・。
ああ・・・デブじゃダメなんだよね?
・・・・
またしてもハッと気づく。
違う、違う・・・私はやつなんて・・・
あれれ?どうした私?
さっきから夕くんだったりやつだったり・・・。
だいたい上川士幌は最初っからムカつくやつだったじゃない?
「上川さんってみのりちゃんのこと好きなの?」
急に妹がそんな変な質問をした。
「まさか。俺の範囲内じゃないことは確か。」
やつには私の女心が傷つくなんて関係ないらしい。
「範囲内って?」
妹が聞く。
「取り合えず年上はパス。」
はあ~?

