「一緒に帰るのも、食事に誘うのも、休日のデートもみんな断られても、それは仕方ないと思ってます。
だけど、仕事上でこんな待遇は僕としても限界です。」
「どんな待遇だっておっしゃるんですか?」
聞かなくても分かってる。
さすがに冷たくし過ぎて他の社員もそのことに気が付くほど。
私の恋愛モードのシステムが正常に作動してない今はしょうがないじゃない?
「その口調からして僕と壁を作ってるでしょう?」
「上司なんですから当然です。
お言葉ですけど、上司に敬語を使うのは壁を作ってることにはなりませんから。」
「・・・じゃあ・・上司を辞めます!」
「・・・・。」
「彼氏にして下さい。」
お~~~~~い!
「僕の気持ちは最初から知ってますよね。
デートに誘ったりしてるのも冗談半分じゃなくて本気ですから。
みのりさんは、軽く受け流すけど・・・。
そろそろ、ちゃんとした答えが欲しいと思ってます。」
「・・・・。」
古宇さんは真剣だ。
でも、私は自分の気持ちが正直・・・分からない。
士幌のことがあったから・・・
何かが・・・落ちた
何?

