「ねえ、ほのかさっき何渡したの?」
帰りの夕くんの車の中。
気になってしょうがなかったので聞いてしまった。
「あ、僕も知りたい。」
「え~、ひみつぅ~。」
「いいよ~だ。新くんに言いつけてやる~。」
「みのりちゃん!そんなこと言ったら後で後悔するよ!」
それ以上言うのをやめた。
真面目に後悔させられそう・・・だったから。
ミラー越しに夕くんが笑ったのが見えた。
夕くんにも分ったみたいだった。
どっちが姉やら分からなくなる時が・・・ある。
もういいや。
去って行った男のことは・・・
忘れよう。
「お腹空いたね。」
「みのりちゃん・・・。」
「分ってるって・・・それしか言えないの?でしょ?」
「そのとおり。」
また、夕くんがミラー越しに笑ったのが見えた。

