手を引かれながら進んでいると、明らか先輩の家の方向。
うん、わかってんだけど。わかってはいるんだけどさ…
「…どこむかってんすか」
頼むから私の1ミリの期待を消し去らないでくれ。
「え、…なーいしょっ」
「あ、私の家ですか。先輩ありがとうございます。」
「えっ?」
「いやあ、内緒にしてまで家まで送ってくれるなんてさすがです。」
「へへっ、って、え?」
「先輩の家なんて行ったらどうしようって、正直不安だったんですけど、私が疲れて眠たいのちゃんとわかってくれててよかったです」
「ちがっ、ちょこちゃん?」


