2時間目が終わり、長放課になった。 私は本を開く。 今熟読しているのは夏目漱石の『吾輩は猫である』。 この作品は猫の視点から書かれていて、すごく面白い。 まわりの子と合わないのも、こういう本が好きだからっていうのもあるのかも。 私はしおりを挟んだところから読み始めた。 「え、この本難しそう!」 近くで声がした。 誰かと喋っているのだろうか。 「誰が書いた本なのー?!」 また聞こえた。 あまりにも声が近くてつい顔を上げる。 すると、目の前に女の子がいた。