父に聞かれて、大丈夫と返事をした。
本当は大丈夫じゃない気持ちを隠して……
心で、ごめんなさい… そう謝る。
「 ごちそうさま 」
「 伊織、菜月ちゃんや利香ちゃん連れて来たら? それと、ちょっと話があるの…… 」
母の顔が申し訳なさそうな、嫌な感じがした。
何の話をされるのかと……
「 伊織ちゃん、お正月なんだけど実は… 」
え……
父から話されたのは、仕事の都合で海外に出張が重なり、ついでに母と旅行をして行きたいと言われた。
家族として四人で迎えるはずの正月を一緒に迎える事が出来なくなった事を謝られた。
正月はバイトを休みにしてある。
碧斗はバイトを入れていると思い、私は一人となる。
「 伊織、心配なら一緒に行く?」
「 え、私? え~ いいよ、利香や菜月と初詣行くつもりだったし、見たいテレビあるし、私はいいよ 」
「 碧斗がいるから心配ないけど… ほんとにいいの?」
私 お邪魔虫じゃん。
「 お土産、よろしく 」
笑顔で二人を送り出すことにした。
正月まで数日。
母達は二日後に発った。



