本格的な冬休みになり、バイトの日々に入る。

ただ問題は新生活がスタートしたと同時に、私には同居人がいる。

それも……

一目惚れした彼であり、家族になる人であり、今は嫌いな人。



彼は木崎 碧斗。

私より年上で兄になる人。



「 あ~ 時間ギリギリー!」



シャワー、シャワー、シャワー!!



と、洗面所の戸を開ければ水音がする。

明らかに碧斗がシャワー中。

慌ててキッチンへ行きお茶を一杯飲んで、慌てた呼吸を整える。


同居人がいるのはいかに都合が悪いか、しかもルールを決めようにも碧斗が話を聞かない。


なぜなら……



「 お互いに遠慮すべきとこは自分で対処して決めればいいだろ、互いに空気だと思えばいい。部屋を単に共有してるだけだからな 」



もはや私がいることなど どうでもいいように聞こえた。

仮にも家族になる私を空気だと……

こんな人に一目惚れした自分が許せない。