ところで私っていったい……
「 あの、聞いてもいい?」
「 お前は胃腸風邪、だから吐いてる 」
あ… そっか、だからこんなに体がだるいんだ。
碧斗が私を病院へ連れて行ってくれた事、体の事、今の状態を事細かく話してくれた。
話の内容よりも、私は碧斗の声と、話している口が気になっていた。
こんな風に話すんだ……
初めはあんなにひどいことしか言わなかったのに、普通に話してる。
すごく、いい声だなぁ
怒ってると悪魔みたいだけど。
ほんとは優しいんだね……
「 ありがとう 」
「 何急に… もう寝ろ!」
私には見えた、碧斗の少し照れた顔、頬が少し赤くなって背けた顔。
それが嬉しいって思った。
菜月の言うように、嫌いから好きに変わる時がくるかもしれない。
あの時、一目惚れした時みたいに……
「 あ、バイト休むって言っといたからな 」
「 え! なんで私のバイト知ってるの?」
「 菜月って女からライン来てついでに 」
「 あ… そう、なんだ…… ありがと 」
菜月…
菜月の事だから絶対ウハウハで利香に連絡してるよ、後で怖いな……



