滉が戻り、二人で食べていると伊織が起きてまた、吐きに行く。
その辛そうな姿を苦しく思いながら支える碧斗。
「 ほら、寝てろ 」
寝かせてリビングで滉と話す。
「 親に連絡は?」
「 子供じゃあるまいし、俺がいるって言われるだけだ 」
「 胃腸風邪だもんなぁ 明日も無理だな、伊織ちゃんバイト休むって言っといた方がよくね?」
「 ……なんのバイトか知らね 」
「 はあ!?」
滉は声を小さめに碧斗に説教を長々とした。
耳が痛い碧斗は強く言い返せず、伊織の鞄からスマホを出すが電池切れ。
少ししてラインの着信がいくつか鳴る。
画面を二人が覗き見て、菜月からのラインでわかったバイト。
碧斗は滉に言われ、伊織のスマホで菜月に電話を入れた。
電話向こうで慌てる菜月に伊織が胃腸風邪だと知らせバイトは休むと伝えた。
「 なんで俺が…… 」
「 いや、碧斗のせいだろ、絶対。俺は伊織ちゃんの味方だし 」
「 やな奴 」
「 お互い様な 」
滉が帰り、静かな部屋。
だいぶ熱の下がった伊織にホッとするが。まだ吐くのが心配だ。
それでも、リンゴを擦り食べさせてみる碧斗。



