意識が薄れた私を抱き上げ、碧斗は部屋に寝かせた。
急いで部屋を暖め、水を準備し、思い付く限りを部屋に並べた。
が、そこで気づいた。
慌てたために、伊織を自分の部屋に寝かせてしまった碧斗。
一人でバカをやったと少しイラつくが、あるものがない事に気づいた。
『 お電話ありがとうございます、創作居酒屋の彩膳、相楽です 』
「 あ、滉!俺だけど実はアイツがぶっ倒れて…… 」
『 あー、ほらなやっぱり、お前のせいだわ!あとで荷物持ってくし看病してやれ 』
「 余計な事をっ… ついでに解熱の薬、頼むわ、あとリンゴ!じゃな 」
切れた電話口で滉はため息、そして密かにクスッと笑う、それは嬉しそうに。
「 最初から素直に心配してろっての、バカ碧斗め 」
滉は碧斗の事情を話、自分が頼まれ事をしたと早退をオーナーと店長に申し出た。
快く了解してくれたため店を出て、碧斗にすぐに行くからとラインを。
「 冷えピタ…… 8時間は使えるんだな 」
シートを手に伊織の前髪を上げるが、横を向いてしまい貼りにくい。
小突くわけにもいかず、体温をと体温計を手にしたが、脇に挟みたいが服が……
碧斗はただ悩む。
なんだよ、体温計ごときさっさとやれば問題ねぇての!
でも……
脇にうまく挟めなかったら?
んー…………



